2026.05.04 00:00
コラム
第17節マッチレポート
「信念を持って“こういうラグビーができるんだ”と証明したかった」(マーク・テレア)
トヨタヴェルブリッツは5月2日、リーグワン第17節でパロマ瑞穂ラグビー場で東京サントリーサンゴリアス(東京SG)と対戦。先制トライを奪ったが、前半30分過ぎから3連続トライを奪われ逆転され、38-54で敗れた。同日、BL東京が静岡BRを下したため、ヴェルブリッツの6位以上は消滅した。
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5連休の初日。今季の同ラグビー場開催最多の8382人の観客でスタンドはぎっしり。濃い緑の芝に、ヴェルブリッツのグリーンと東京SGの黄色が鮮やかに映えた。
先制トライはヴェルブリッツ。5分にモールからLOヒンガノ・ロロヘアが飛び込んだ。だが東京SGもすぐに反撃、互いに仕掛け合うアタッキングゲームに。ヴェルブリッツも果敢に前に出たが、相手は防御から攻撃に切り替える速さで上回った。12-10でリードしていたが、31分過ぎから3連続でトライを奪われ、12-26で折り返す。
試合を象徴した場面は後半開始直後。風上に立ったヴェルブリッツがボールを継続させるが、フェイズを重ねても前には出られず、密集で絡まれ反則。一気に攻め込まれ、モールからトライを奪われ12-33。前半最後の10分~後半開始10分の失点が試合を分けた。
前半35分、負傷退場のFB高橋汰地に代わってピッチに入り司令塔を任された松田力也は「後半風上で、もっとキック使ってもいいかなと思ったんですが、ボールキープしたほうがスペースが生まれるかと。そこのところは僕自身も反省しないといけない」とゲームメークを振り返った。「我慢比べで上手くいかず、ブレイクダウンでプレッシャーがかかった」
5連敗中だった東京SGは、前節からFWの先発を6人変更。NO8は4試合ぶりにテビタ・タタフが入り、強力なキャリーに手を焼いた。BKもCTB中村亮土が5試合ぶりにスタメン。34歳のベテランの判断は、ヴェルブリッツにモメンタムを作らせなかった。東京SG・小野晃征HCは「うちはアタッキングチーム。アタックがいいと、自然とディフェンスでもボールが取り返せる」
ヴェルブリッツにとってショートウイークのハンディもあったが、「この一戦」と決めた試合を獲りきる力は、相手が上だった。
後半33分には19-54までスコアは開いたが、今季のヴェルブリツは、そこで投了とはしなかった。34分、相手キックをキャッチしたWTBマーク・テレアが個人技で40㍍近く走り切ってトライ。37分には全員で2分近くつなぎ続け、HO加藤竜聖が左中間へ。直後も、相手がこぼしたボールを自陣から繋ぎ続け、再びマーク・テレアがトライラインを超え、スタンドは拍手に包まれた。SO松田力也もホーンが鳴る前にコンバージョンを蹴り込み、さらにプレーの時間を作り出した。チームとしての不屈さが伝わった3連続トライだった。
「80分が終わるまで試合は続く。信念を持って“こういうラグビーができるんだ”と証明したかった。1年通してやってきたトヨタラグビーを表現しようと」(マーク・テレア)
「結果は残念だが、プライド、メンタルの強さが最後の15分に現れた」(スティーブ・ハンセンHC)
今季、決勝トーナメント進出はならなかったが、序盤の7連敗から一気に巻き返した。トンネルを抜けた第9節以降は6勝3敗。フィジカル、泥臭さと伝統の「トヨタらしさ」を取り戻した後半戦だった。
残るは三重Hとのビジターゲーム1試合。来季から本拠を栃木に移す三重Hにとっては、最後の鈴鹿でのホストゲーム。相手のモチベーションは高い。
トップ6入りという大きな目標が潰えた中、来季に繋ぐ大事な一戦。この日、終盤に奪った3連続トライの執念を、試合開始から見せつけたい。(森本優子)

マーク・テレア

50キャップ目となったWTBヴィリアメ・ツイドラキ

後半37分、HO加藤竜聖が全員が繋いだボールをトライ

ホストゲーム最終戦となり、試合後に姫野和樹キャプテンが感謝を伝えた

最後は選手が場内を一周。スタンドに残ったVOLTsから温かな拍手が送られた