2026.04.27 00:00
コラム
第16節マッチレポート
「試合に出るからには、チームのいいFLを代表して出るという思いはある」(小池隆成)
トヨタヴェルブリッツは4月26日、リーグワン第16節秩父宮ラグビー場でリコーブラックラムズ東京(BR東京)と対戦。互いに譲らぬ展開となったが、終盤に突き放して40-28で勝利を挙げた。
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後半26分まで28-28。互いに7点を追いかける、まるで綱引きのような試合。引いて、引っ張られて、最後にヴェルブリッツが渾身の力で勝利の綱を手繰り寄せた。
BR東京はリーグ4位、この試合に勝てばリーグワン初の決勝トーナメント進出が決まるとあって、秩父宮のスタンドはチームカラーの黒をまとったファンが多数詰めかけた。
先制トライはWTB髙橋汰地のキックキャッチから繋ぎ、4分にWTBマーク・テレア。だがその後はBR東京の圧に押され、エリアどりで苦しんだ。12分、インターセプトで一気に走られたがテレアが戻り、危機一髪で止めた。この日の背番号11は、得点機に絡むだけでなく、しばしばカバーディフェンスで危ういところを食い止めた。
共にブレイクダウンで圧をかけあった80分。ヴェルブリッツはスクラムに手を焼き、相手はラインアウトで苦しんだ。接戦を分けたのは、ヴェルブリッツの密集を一気に乗り越えていくカウンターラックだった。
後半36分、勝利を決定づけたPRハムダン・トゥイプロトゥのトライは、相手SH TJペレナラにプレッシャーをかけた後のカウンターラックの球をすかさず拾い上げたものだ。
「カウンターラックは、試合中にチームで“いけるな”と話し合って、狙っていこうとコミュニケーションをとってました」
今季初スタメン、終始激しいタックルを浴びせ続け、ボールキャリーでも身体を張った小池隆成は振り返る。
「7番で試合に出るからには、チームのいいFLを代表して出るという思いはある。自分はタックルを期待されて出てるので、やらないと他のFLに顔向けできない」
後半28分から出場したFL山川一瑳も同様、ミライマッチでコツコツと実力を培ってきた。出られない悔しさ、仲間を代表することへのプライドが、大一番で結実した。
POMは後半27分に勝ち越しのトライを決めたWTB髙橋汰地。
「サイア(フィフィタ)がラインブレイクしてくれて、後ろから押そうとついていったら、ペレナラがもぎとったボールが頭に当たって前にこぼれて。戦術的ヘディング(笑)」
髙橋もトライだけでなく、キック処理、カバーディフェンスといつも通りにチームへの貢献は大きかった。
「キックと、アタックを継続する部分のバランスがシーズンが深まるにつれて良くなってきた。今までは攻めたい気持ちが多くて、中盤で攻め疲れたり、ミスでリズムに乗れなかったけど、力也さん(松田)、真也(小村)、エイダン(モーガン)と、ゲームをコントロールする選手が増えて、エリアマネジメントが良くなっている」(髙橋)
残り2試合。マストウィンの状況は続く。次節はショートウイーク、リーグ戦最後のホストゲームとしてパロマ瑞穂ラグビー場で東京SGを迎え撃つ。
「自分たちがやってきたことはプレシーズンから変わってない。結果が伴ってなかったので、一瞬一瞬の判断が鈍るところがあったけど、(第9節で)BL東京に勝ってプレシーズンからやってきたことに自信を持てたのが大きい。今は全員が同じ絵を見られている」(小池)
前節の神戸S戦に続いて、ホーンが鳴った後も勝ち点1をとるために、全員がひたむきにプレーし続けた。この集中力のまま、残り2試合を戦いぬく。 (森本優子)

FL 小池隆成

先制トライを挙げたWTBマーク・テレア。何度もカバーディフェンスでピンチを防いだ

後半10分、スクラムから好判断でブレイク、CTBシオサイア・フィフィタのトライに繋げたSH茂野海人

オールブラックスで共に長く戦ったSHアーロン・スミスとTJペレナラ