2026.04.06 00:00
コラム
第14節マッチレポート
「国立でヒメさんを胴上げできるよう頑張りたい」(青木恵斗)
トヨタヴェルブリッツは4月5日、リーグワン第14節で、ヒマラヤスタジアム岐阜でクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(S東京ベイ)と対戦。激しい風雨の中、終始フィジカルバトルで上回り24-7で快勝。ボーナスポイントつきの勝利を挙げた。
●
降りしきる雨、吹き荒れる風。雷神が、春の嵐を味方に変えた。リーグ1位、フィジカルで屈指のS東京ベイ相手にブレイクダウンで終始優勢に立ち、失点を終盤の1トライに抑えた。
キックオフからヴェルブリッツは果敢に前に出た。幕開けのトライは前半11分、WTBマーク・テレア。足元の悪さをものともしない走りは、改めてオールブラックスの実力を感じさせた。3トライを挙げて17-0での折り返し。後半7分、初先発のCTBエイダン・モーガンも初トライを記録。24-0と、リードを安全圏とした。
「フィジカルでステップアップしないといけない相手に、しっかりと準備できた。プレシーズンからやってきたことが、ようやく形になった」(スティーブ・ハンセンHC)
ポゼッションはトヨタ51、テリトリーは43㌫。数字はほぼ互角も、接点での孤立を避け、2人目以降が素早く寄り、パスも間隔を短くするなど、ボールを確実に保持したことが危なげない試合運びに繋がった。
「相手のフィジカルに対応するだけでなく、ボールセキュリティで上回れたのが非常に大きかった」(ハンセンHC)
会心の勝利には、別の理由もあった。NO8姫野和樹キャプテンが前節の横浜E戦で負傷退場、アキレス腱を痛め今季の復帰は困難と発表された。
この日のゲームキャプテンを務めたHO彦坂圭克は言う。「ヒメは誰よりも身体を張っていた。一人ひとりがヒメに頼るんじゃなくて、高めあった。“言われたからやるのではなく、自分たちからやる”と」
姫野に代わってヴェルブリッツの8番を背負った青木恵斗。JAPAN XV以来、2度目のポジションだったが、「みんながいっぱい教えてくれて助かりました」。何度も相手ボールに絡みピンチを防いだ。屈指のフィジカリティを誇るチームと対戦し、新たな学びもあった。
「相手はこれまでで一番コンタクトが強くて、僕もボールキャリーしたら子供みたいに持ち上げられた。ああいうキャリーにはどういうプレーをしたらいいか、考えさせられました」(青木)
これから8番を背負う覚悟もある。
「ヒメさんが一番悔しいと思う。僕ができるのは身体を張ってチームに勢いを出すこと。僕だけじゃなく、グラウンドにいた皆がそれをやったから、コリジョンで優位に戦えた」
LOからFLに下がったヒンガノ・ロロヘアも、オレンジの塊を何度も裂いた。前半21分には相手ゴール前で強さを活かしてトライもスコア。初めてのPOMにも輝いた。
「ホームで勝てたのが嬉しい」
プレーのインパクトが強すぎて忘れがちだが先月、大学を卒業したばかりのルーキーだ。地元・朝日大学時代の仲間も、ヴェルブリッツのホームゲームに必ず足を運び声援を送る。大雨のこの日も、スタンドに姿はあった。
12番で先発したモーガンは、キックマネジメントに巧みさを見せた。
「今日は松田、小村、モーガンで相手のキックに対応してくれた。後半出場したニック(ニコラス・マクカラン)にも満足している」(ハンセンHC)
後半25分から出場したFL山川一瑳は、2シーズンぶりのリーグワン出場だった。
「ディフェンスで身体を張り続けようと。試合に出て勝利に貢献できたこと、ミライマッチのみんなに勝利を報告できるのが何よりうれしい」
FW、BKとも選手起用のオプションが増え、誰が出ても貢献できる良きサイクルが構築されつつある。
これでバイウイークを迎え、次節は4月18日、年に1度の豊田スタジアムでの雷神祭。相手は決勝トーナメント進出を決めた神戸Sだ。残り4試合、6強入りに向けて一つも落とせない戦いが続く。
「今年の僕の目標は6位に入って、決勝戦で勝って、国立でヒメさんを胴上げできるよう頑張りたい」(青木)
この日のスタンダードを保ち続ければ、結果は自ずと見えてくる。(森本優子)

FL 青木恵斗

FLヒンガノ・ロロヘアはアーリーエントリーの第7節から8試合連続スタメン

初先発のCTBエイダン・モーガン。後半7分、初トライも決めた

後半25分から出場したFL山川一瑳 「ディフェンスで前に出て、泥臭さで貢献していきたい」