2025.12.19 00:00
コラム
「9番として試合に出たいと強く思ってます」(田村魁世)
三重Hとの開幕戦を44-33で白星で飾ったヴェルブリッツ。後半、背番号21をつけて躍動したのが、SH田村魁世だ。
同志社大から22年シーズンに加入。リーグワンデビューは昨シーズン第16節の東京S戦。出場試合は、最終節のS東京ベイ戦との2試合、プレータイムは101分だった。それが今季はアーロン・スミスと共に開幕メンバー入り。後半12分、三重Hに23-26と逆転された直後にアーロンに替わって投入されると、難しい時間帯に臆せずプレー、素早い球出しとブレイクダウンへの参加などで、逆転勝利の一員となった。

「これまではミスしないようにとか、慎重にプレーしようとして、それが緊張にもつながったんですけど、今年はライジングから割り切って、自分が楽しもうと。その中で自分の役割が戦術にはまって、自信になってきた」
19分にはFWと共に密集で絡んで反則を勝ち取るなど、力強いプレーも披露。ずっと守ってきたブロンコ1位の座こそ新加入のSOエイダン・モーガンに明け渡したが、そこにフィジカルもプラスされた。
「コンディショニングではウエイトの回数を増やしたり、自分なりに課題と思っているところの重量を上げたりしていますが、重いと動けなくなるので、ウエイトよりランニングボリュームを増やしています」
昨季のデビュー戦は黒星先行の中、負傷者も重なりスクランブル的な要素もあった。だが今年は、SHの厚い選手層を勝ち抜いての出場だ。
「開幕戦に出られたのは、これまでやってきた努力が評価されたと自信になった。ここで成長を止めるのではなくさらに成長したい。9番として試合に出たいと強く思ってます」
前節に続き、第2節の東京S戦もメンバー入り。相手はリーグワンデビューしたチームでもあり、控えのSHは福田健太。ヴェルブリッツで2シーズン共にプレーした先輩だ。
チーム加入時、緑の9番をつけていたのは福田。田村はスタンドから先輩のプレーを見て学んだ。
「こういう強気なSHもいるんだと。健太さんは、自分でもがつがつチャンスメークする。新しいSHのスタイルに気づけた存在でした。健太さんと試合できるのは嬉しいですけど、意識しすぎず、まず目の前のことに集中したい」
昨季の対戦でも福田はリザーブに入っていたが、出場時間がずれ、直接の対決はなかった。土曜日の試合で2人の対決が実現するかは神のみぞ知るが、天の粋なはからいに期待だ。
(森本優子)