2025.11.24 12:00

プレシーズンマッチレポート VS 日野RD

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コラム


「考え方も動きもSHになってきた」(谷中樹平)


GR東葛戦翌日の11月22日、日野レッドドルフィンズ(日野RD)との定期戦を兼ねたプレシーズンマッチが、日野市の日野RDグラウンドで行われた。試合前には恒例のOB戦も開催され、2季前に現役を退いた彦坂匡克さんや古川満さんら若手OBの姿もあった。

「現役」の試合は序盤、相手のゴール前での強力モールに手を焼く場面もあったが、前後半で12トライを奪い、80-28で白星を飾った。

SH谷中樹平はGR東葛戦に続き2日連続で途中出場。前日は後半30分、日野RD戦は後半20分からの出場だった。加入3年目で、初めてSHとしての出場だった。

「自分自身、考え方も動きもSHになってきた。周りからもそう言われます」

帝京大時代はWTB、FBとして大学選手権優勝に貢献したが、SHは以前から経験があった。御所実時代に将来を考えて示唆され、大学1、2年時もSHでプレーしていた。

「竹田先生(御所実)、岩出先生(帝京大)から言われたことが、今になって役立ってます」

今年5月からはニュージーランドに渡り、PR清水岳とともにノースオタゴにあるバリークラブでプレーした。出発前にイアン・フォスター共同コーチらと話しあい、今季はSH一本でいくと決めての留学だった。

クラブシーズン終了後に共同生活をしていた清水が帰国、その後は一人で暮らしながら、NPCの下部であるハートランド・チャンピオンシップで静岡BRから留学していた家村健太とノースオタゴのHB団で出場。大会終了まで11試合出場し、さらに経験を積んだ。

「トヨタに戻って来て、外国人選手とこれまでよりコミュニケーションがとれるようになった。向こうでのハードな経験が生きてるのかなと」

ヴェルブリッツのSHは選手層が厚い。アーロン・スミス、茂野海人、梁正秋、田村魁世の4人が昨季全員リーグワンに出場。追いつけ追い越せの日々だ。だからこそ、まずは試合に出てSHとしてのプレータイムを増やしたい。

強みはパリ五輪の7人制日本代表に選ばれたスピードと左足のキック。身長もSHでは一番高い。

「僕としては昨日今日でアピールは出来たと思うので、(29日の)神戸とのメンバーに入れたら。それが無理でも、シーズンまでまだ時間があるので頑張りたい」

右手首には今も「PARIS 2024」と記された白いアームバンドが着けられている。

「(成績が)あまりにも悔しすぎたので、あの気持ちを忘れないようにと」

去年の五輪、8万人観衆が入ったスタッド・ド・フランセでプレー出来たことは一生の宝物だ。そこで火の付いた負けん気が、今日も谷中を走らせる。 (森本優子)

セブンズ代表に選ばれたスピードは強い武器。谷中樹平

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こちらもセブンズで培った快足を披露したFB中野剛通

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昨季限りで引退、OB戦に出場したWTB彦坂匡克さん

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