2025.09.30 08:00
コラム
今季から新しく始まった大会「ジャパンラグビー リーグワンライジング」。
若手選手の出場機会を増やし、成長を促進させるのが目的で、9月最終週から10月第2週まで3節にわたり、所属エリアごとに東・中・西に分けて争われる(優勝・順位付けはなし)。
中エリアに所属するトヨタヴェルブリッツと三重ホンダヒート(三重H)との試合が9月28日、三重県熊野市山崎運動公園グラウンドで行われ、21-31で敗れた。
従来のプレシーズンマッチより早い実戦となる新大会。
両チームとも戦術的な仕上げはこれからも、フィジカルの激しさは公式戦さながら。終盤までスコアは競った。
ライジングの特徴は、ゲームキャプテンが試合後に相手チームのPOMを選ぶこと。
三重Hの古田凌ゲームキャプテンが選んだのは、加入3年目のWTB/FB大籔洸太。前半はWTB、後半はFBでフル出場。ラインぎりぎりで何度も力強い走りを見せ、チームを前に出した。周囲も納得の選出だ。
ストライドの大きな走りで相手を振り切るWTB大籔洸太
本人は開口一番、「80分出させてもらえて、すごく嬉しかった」。試合は30人がエントリー。ハーフタイムで12人が入れ替わった中、ただひとりフル出場。首脳陣の期待度の表れだ。
「今日は自分の強みであるランを出そうと。それは出来たと思います」
祖父、父ともにトヨタでプレーした3代目。コーチも務めた父・正光さんはスキルフルなCTBだったが、息子は一気に加速する走りが特徴。キック力も強みだ。
後半はFBに回ったが、走りに加えて全体の状況判断も求められるポジションだ。
「これからの課題はゲームコントロール。今日だったら、シンビンで一人少なくなったときの対応とか、公式戦に出るには細かなところをもっとつき詰めていかないと」
この勢いで開幕戦までトップフォームを維持したい。
NO8ブレア・ライアルもプレータイムが長かった。青木恵斗(左)と相手を止める
ライジング初戦、チームとして出た課題はスクラムだった。前後半を通じて相手陣深く攻め込みながらも、スクラムで続けて反則をとられ、勢いに乗れなかった。前半出た前5人のうち、リーグワン出場経験は清水岳ひとり。清水は従来の左PRから、この夏のNZ留学中に右PRにも挑戦、この日が初の3番だった。三重Hは前5人のリーグワン出場試合数が合計100。リザーブにもベテランを置いた。若いヴェルブリッツFWにとっては、「リアルリーグワン」のスクラムを学んだ80分でもあった。
「今日の試合はスコアボードは気にしない」とスティーブ・ハンセンHC。開幕に向けたチーム内競争の火ぶたが切られた。
ライジングの次戦は10月4日(土)16時から、トヨタスポーツセンター内陸上競技場に静岡ブルーレヴズを迎えて行われる。 (森本優子)
アタックで勢いを生み出したFL小池隆成。前半13分にはトライも決めた